コラム
「食べる力」は一生の宝もの!歯科から考える食育の大切さ
みなさんは「食育」という言葉を聞いたことがありますか?
食育とは、子どもから大人まで「食べること」を通して健康的な心と体を育むための取り組みのことです。実はこの食育、将来のお口の健康と深い関わりがあることをご存じでしょうか?
今回は、歯科の視点から見る「食育とお口の健康」についてご紹介します。
なぜ歯科で「食育」が大切なの?
歯やあごの成長、虫歯や歯周病の予防、そして全身の健康、これらすべてに関わってくるのが、日々の「食べ方」や「食習慣」です。
たとえば、よく噛んで食べることであごの骨がしっかり育ち、正しい歯並びや噛み合わせにつながります。また、噛む回数が増えることで唾液の分泌も促され、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。
一方で、やわらかいものばかり食べている、噛まずに飲み込んでいる、間食が多いといった食習慣は、将来的に歯を失う原因になることもあります。
食育は単に「栄養バランスの良い食事」を意味するだけでなく、どう食べるか、どんな習慣を持つかという視点がとても大切なのです。
今からできる、食育とお口の健康づくり
しっかり噛んで食べる
噛むことであごの骨が発達し、歯並びの土台が育ちます。また、よく噛むと唾液が出て、お口の中の細菌を洗い流してくれる働きも。硬さの違う食材や、歯ごたえのある野菜を取り入れるのもおすすめです。
おやつの選び方と時間を見直そう
砂糖を多く含むお菓子やジュースは、虫歯のリスクを高めます。時間を決めて食べる、だらだら食べを避ける、果物やチーズなど虫歯になりにくいものを選ぶ工夫も大切です。
食事の姿勢と環境を整える
背筋を伸ばして正しい姿勢で座ることで、あごや口の筋肉がしっかり使われ、噛む力や飲み込む力が育ちます。また、テレビやスマホを見ながらの「ながら食べ」は控え、食事に集中する環境をつくりましょう。
家族で「食」を楽しむことも大切に
楽しい食事の時間は、自然とよく噛むことやマナーも身につきます。調理の手伝いなどを通じて小さな頃から食への関心を育てることが、お口と体の健康を守る一歩になります。
まとめ
今回は、歯科の視点から見る「食育とお口の健康」についてご紹介しました。
「しっかり噛んで食べる」「虫歯になりにくい食べ方をする」「家族で食事を楽しむ」これらの積み重ねが、健康な歯と体を育てる土台になります。
当院では、お子さまの歯の健康を育む小児歯科治療に力を入れており、治療だけでなく、正しい食習慣や生活習慣のアドバイスも行っています。お子様に楽しく通ってもらえるように、できる限りの痛くない治療、怖くない治療を心がけていますので、お子さんの食べ方や噛む力が気になる方は、お気軽にご相談ください。